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筋肉(筋・筋膜)を緩めると不調が起きる・・・?
筋肉(筋・筋膜)をゆるめると不調が起きるのでしょうか・・・?について考えてみます
首こり・肩こり・腰痛は現代人の永遠のテーマです
「筋肉・筋膜がコリ固まっているので解して緩めないとな〜」と普通に思ってしまいます一般的に整骨院・治療院・整体院や整形外科で「筋肉が硬くなると痛みが出てきます」と言われた人、言ってる人は多いです
関節の不調が発生している人は、ほぼ硬くなっている筋肉が存在しますので、それが通説になっています
以前は私も「筋肉が硬いから痛みが出る」「筋肉をゆるめれば不調が改善する」と思っていました
臨床を重ねるうちに気付いたのですが、『筋肉は各パートで支えようとして硬くなる』ことがよくあります
関節周辺の複数の筋肉が本来支えるべきところを『一部の筋肉だけ』で支えてしまっている状況で、関節の不調が発生していることがあります
このような状況では関節もズレてきますので、靭帯や腱も緊張しています
更に、硬くなっている筋肉を無理にゆるめようとすると返って症状が悪化するケースも多くあります(高齢者に顕著)
なぜ、筋肉が硬くなることで関節を支える役割があると分かったのか?
筋肉をゆるめる上で即効性があるのが筋弛緩剤ですが、これを医師に処方された患者さんの多くが不調を訴える場面に何度も遭遇しているからです
私は柔道整復師ですが以前に病院勤務だった頃、医師からのリハビリの指示で患者さんへリハを行っていました
患者さんがリハビリを処方されるまでの経過をカルテや問診で必ず確認してきました
医師も肩こりや腰痛、頭痛、関節痛を緩和させるために筋弛緩剤を処方するのですが、明らかに処方されてからの症状悪化を何度も目撃してきました
これは!!と思ったのは、患者さんが腰部の後縦靱帯骨化症(腰の脊髄が圧迫される)で手術をした際のことです
手術は腰椎を固定するために大きく腰部を切る必要がありました
手術は成功したはずなのにその患者さんは術後、足がが上がらなくなりました
手術は全身麻酔を行いますので筋肉は弛緩した状態になります
腰部後縦靱帯骨化症(脊柱管狭窄症とまとめられるケースがある)の患者さんは腰部が異常に硬くなりますが、麻酔でユルユルになった状態で腰椎を固定するために硬くなっていたその腰部の筋肉の中心を切り開くのです
なぜ足が上がらなくなったのかは本当の原因は誰にもわかりませんが、私が推察するに腰髄から神経がでてくる椎間孔(腰椎間の隙間)は後縦靱帯骨化症で狭くなっていて、それを支えようと腰背部筋で頑張って硬くなっていた筋肉が麻酔で強制的にゆるめられ、メスによって切り開かれたことで腰椎を支えるシステムが破綻したことが原因だったのではないかと考えています
椎間孔から出て下肢の筋肉を支配する神経(腰髄から末梢神経に移行)が傷つきやすくなるのは簡単に想像ができます
「ゆるめるよりも、前後、上下のバランスを取り合える筋肉に調整し、更に筋力を付けるべき」「その中間にある関節を整え中立にすべき」との結論に至り、現在の施術と運動療法の理論的土台となっています
実際に、セレン整骨院で行っている関節のアジャストと筋・筋膜の調整、エクササイズは『施術した後で緩んでいる筈が、可動域が中立的に改善したり、パワーバランスが良くなったりする』という現象を施術後に多くの方々のお身体で確認できています
「怠けている本来働くべき筋・筋膜」と「怠けてしまっている筋・筋膜の分まで頑張っている筋・筋膜」が相互に調整されバランスしながら機能し合うと、周囲の一方だけ固くなっている筋・筋膜は自然とゆるむという事なのです